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ポール・W・S・アンダーソンの映画を全作品観てみた

好きな映画監督の作品を、公開順に最初から最後まで追いかける鑑賞をやってみた。今回選んだのは、ゲームやSF、モンスター映画を派手な映像に変えてきたポール・W・S・アンダーソンだ。一般的な映画賞とは少し違う場所で評価される監督だが、私はこの人の映画にある勢いと割り切りがかなり好きである。 About.

週末に一気に観ると、作品ごとの出来不出来以上に、監督が何度も繰り返しているテーマが見えてきた。閉ざされた空間、極限状態に置かれた男女、巨大な敵、そして細かい説明より先に走り出すアクション。今回は劇場用長編を中心に、個人的な感想を交えて振り返りたい。

初期作に漂う荒々しい魅力

長編デビュー作の『ショッピング』は、若者たちが盗難車をめぐって競い合う近未来的な犯罪映画だ。後年の大作と比べると規模は小さいが、スピード感のある編集や、若者文化を少し斜めから見る視線はすでに表れている。完成度を気にするより、まず画面を動かしたいという意志が伝わってきた。

続く『モータル・コンバット』では、格闘ゲームの世界を映画に置き換えた。物語はかなり単純なのに、キャラクターの登場場面や決め技には妙な中毒性がある。原作ファン向けのサービスを惜しまず、ゲームらしさを映画的なリアリティーで薄めなかった点が、この監督らしさの出発点だったと思う。

宇宙船と閉鎖空間の恐怖

『イベント・ホライゾン』は、個人的には最も印象に残った一本だ。消息を絶った宇宙船を調査する乗組員が、船内に残された異常な記録と向き合う物語で、SFの設定に悪夢や宗教的な恐怖を重ねている。明るい宇宙冒険ではなく、逃げ場のない金属の箱を舞台にしたホラーとして見ると、現在でも十分に不気味だ。

この作品を改めて考えるうえで、宇宙船の地獄めいた描写を振り返る関連レビューも興味深かった。私は深夜に鑑賞したため、船内の赤い照明と断片的な映像が想像以上にこたえた。『ソルジャー』では筋肉と銃撃戦の方向へ進むが、孤独な主人公が巨大なシステムに消費される構図は共通している。

ゲーム映画を自分の文法に変える

2000年代以降は、『バイオハザード』シリーズ、『エイリアンVS.プレデター』、『デス・レース』など、既存のゲームや映画世界を実写化する仕事が増えた。原作を忠実に再現するというより、監督が得意とする密室、追跡、怪物、銃撃戦へ組み替えている印象が強い。

作品 公開年 観終わった印象
バイオハザード 2002年 密室アクションと感染パニック
エイリアンVS.プレデター 2004年 怪獣対決を素早く見せる娯楽作
デス・レース 2008年 車両アクションに特化した爽快感
バイオハザードIV アフターライフ 2010年 3D映像とスローモーションが強烈
ポンペイ 2014年 災害スペクタクルと恋愛の組み合わせ
モンスターハンター 2020年 異世界転移と大怪物の肉弾戦

『バイオハザード』は、ゲームの謎解きよりもミラ・ジョヴォヴィッチ演じる主人公のサバイバルに焦点を置いた。その判断には賛否があるものの、シリーズを長く続ける推進力にはなったと思う。私自身、細かい設定を追うより、次にどんなクリーチャーが現れて、どうやって切り抜けるのかを見る映画として楽しんでいた。

ミラ・ジョヴォヴィッチとの共同作業

『バイオハザード』シリーズを並べると、アンダーソン監督のキャリアとミラ・ジョヴォヴィッチのスター性が強く結びついていることが分かる。二人は公私ともにパートナーで、撮影現場の信頼関係が画面にも出ている。アリスというキャラクターは、毎回新しい危機に放り込まれながら、最後には自分の足で立ち上がる。

『三銃士 王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船』や『ポンペイ』では、シリーズ物とは違う時代劇や災害映画にも挑戦している。特に『ポンペイ』は、火山噴火という大事件を背景にしながら、中心にあるのは身分差のある男女の逃避行だ。壮大な背景と分かりやすい感情を組み合わせる手法は、監督の娯楽映画観をよく表している。

観終わって見えた一貫性

全作品を公開順に観ると、アンダーソン監督は複雑な心理描写を長時間かけて掘り下げるタイプではない。観客をまず状況の中へ放り込み、危険の規模を大きくし、登場人物に走らせる。そのため、作品によっては説明不足に感じる場面もあるが、テンポが止まらないという長所につながっている。

『モンスターハンター』まで進むと、初期の『ショッピング』から続く乗り物への執着、ゲーム世界への愛情、巨大な敵を画面いっぱいに映す好みが一本の線になって見えた。批評的に完璧な映画を毎回作る監督ではないかもしれない。それでも、観客を現実から別の場所へ連れ出す力は確かで、疲れた日に何も考えず楽しめる作品を探すとき、私はこの監督の映画に戻ってきてしまう。